デリカシーのない疲れる男

ただのデリカシーのない男だった話

これは、私が転職してまもないときの恋でした。
ベンチャー企業に転職した私は毎日、新しく覚える仕事に追われ、心身ともに疲れ切っていました。1年近く友達以上恋人未満だった人とは、転職を機に縁を切り、独り身になったばかりでした。

 


そんなある日のこと、数ヶ月前に合コンで会った1人の男性からご飯の誘いメールが来ました。独りで寂しくなっていったこともあり、その人とご飯に行くことにしました。
その人は5歳年上で、合コンの時は大手の保険会社勤務と言っていました。ご飯に行く時、愛車である赤いスポーツカーで家まで迎えに来てくれました。特に相手の稼ぎに興味はなかったものの、「やっぱり30代の大手保険会社の人はすごいなー」と、少し感心していました。


結局、その日は、少しドライブをしたあと、外食をし、家まで送ってくれました。
その後、何度かデートに行き、告白されたのをきっかけに付き合うことになりました。
しかし、彼の本性が現れたのは、付き合ってからでした。


最初に彼の家に泊まった日のこと。その日は、平日のお泊りで彼のほうが早く出勤するということだったので、私は、彼を玄関で見送りました。そして、自分の出勤時間まで、たまった食器を洗い、お部屋の掃除をし、最後に置手紙を残して出勤していきました。

 


仕事が終わり帰宅した彼は、メールでは喜んでくれました。しかし、そのお泊りの日ぶりに会った時のこと。彼が一言。「これでクローゼットの中のワイシャツにアイロンがかかっていたら完璧だったのに。」と言い放ちました。私は、びっくりして呆然としました。付き合いたてで、相手の家のこともよく知らないのに黙って勝手にクローゼットを漁ってまでアイロンがけなんてできるわけないではないか!と思いましたが、言っても無駄なような気がして反論するのをやめました。

喧嘩する男女3


別の日のこと。会社の名刺が新しくなったことを彼に報告すると、名刺を見せて!と言われ、お互いの名刺を交換することにしました。そこで、驚きました。合コンの時に話していた会社ではないではありませんか。全く無名な会社でした。家に帰り、気になったので調べてみると、単に大手保険会社の協力会社のようでした。こんな感じの小さな不信感が募り始めていたころ、さらに驚きの言動があったのです。

 


彼は、付き合ってすぐに、「俺は嫁を養っていけるから大丈夫!」と豪語していました。私は、自分で働くから養ってもらうつもりはありませんでしたが、彼の気持ちを踏みいじっていけないと思い、何も言いませんでした。すると、今度は私の年収をしつこく聞いてくるのです。

 

おそらく、彼は私の年収を聞いて、自分の優位性を見せつけようとしたかったみたいでしたが、残念ながら私のほうが上回っていました。私も高給取りではないのですが、彼の年収で家庭を養っていける!と断言してしまうあたりがとても痛々しく思いました。
そのあとも、デリカシーがない言動が目立ち、癒しを求めて走ってしまった恋愛が、逆にストレスを感じるようになり、わずか3ヶ月で破局しました。